ペットロス―愛する動物との別れ #1

みなさま、こんにちは。ヤマザキ動物看護大学の山川伊津子と申します。ヒトの福祉の専門職ですが、アニマルセラピーやほじょ犬など動物たちが社会の中でヒトの医療や福祉の分野でどのように活躍しているのか、教育・研究しています。ヒトと動物の絆が深まるにつれ、その別れをどのように迎えるかは大切な問題です。ペットロスについては、分かっているようで、でも本当は正しく理解されていないことも多く、なによりあまり考えたくという方が多いのではないでしょうか。かわいいペットとのよりよい別れを迎えるため、何より共にいい時間を過ごすために、何が大切かをご一緒に考えていきたいと思っています。

  

さて、ペットロスということばが日本の社会の中で使われ始めてから20年以上経ちました。愛する動物を失って深く悲しむ人たちが多く現れるようになり、“Loss of Pet”と言われていたのを“Petloss”という新たなことばで表し始めたのが1980年代です。文字通り「ペットを失う」ということですが、このことばに含まれるものはそれだけではありません。

 

愛するペットと別れた飼い主さんは、まず深い悲しみに暮れるという状況になります。大切なものを失った人が誰しも経験する、心理的な影響です。人は大きなストレスにさらされると、自分では平気と思っていても身体が反応することもあります。食べられなくなったり、眠れなかったり。大切なペットとの別れもストレスの一種ですが、身体的な影響が出る場合もあります。さらに、朝起きれない、外に出たくない、となると行かなくちゃならない会社や学校に行けない、ということが起こる場合もあり、社会的な影響も出てくることがあります。ペットロスとは、いわばこういう影響の総体的な体験だと言えます。ただし、個人差が大きいということは常に頭の片隅に置いててください。次回以降、少しずつ詳しくお話します。

 
 

今回の1冊。『ぼくはねこのバーニーがだいすきだった』
ジュディス・ボースト作・エリック・ブレグバッド絵 偕成社
 ぼくは大好きなねこのバーニーを失くして、悲しみから何をする気にもなりません。そんなときママがバーニーのいいところを10思い出してみて、と言います。ぼくは何て答えるのでしょうか。原題は”The Tenth Good Thing About Barney ”。アメリカでも、子ども向けのペットロスの本として有名な1冊です。